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第十七話 面白い場所って

Author: 海野雫
last update publish date: 2026-07-18 19:08:47

 仁は澪の腰に腕を回し、体を隙間なく寄せた。そのまま会場を後にしようとしたそのとき、数人がこちらに目を向けた。

 他の人たちの視線はまだ、ケーキまみれになっている花音に注がれていた。

 なにも言わずに出ていくわけにもいかず、仁は口を開いた。

「私たちは用事がありますので、これで」

 仁が満面の笑みを向けると、相手はまるで芸能人に話しかけられたかのように顔を赤らめた。

「ぜひ、今後ともよろしくお願いします」

「またお会いできるのを楽しみにしています」

 仁は会釈をして、澪の腰を引いて会場を後にした。

 仁が澪に目線を送ると、澪は眉を下げて困った顔をしていた。

「本当に、このまま帰っちゃっていいの?」

 仁は、ふ、と口元を緩めた。

「いいさ。俺たちには関係のないことだろ?」

 「それに」と言って澪の頬に手のひらを当てた。

「澪は、頼まれてたスピーチを見事にやってのけたんだ。もう、あそこにいる意味なんてない

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